桃の木~シャム双子の悲しい物語~
監督:ク・ヘソン
公開:2012年
原題:복숭아나무
キャスト:チョ・スンウ、リュ・ドックァン、ナム・サンミ、チェ・イルファ
★★★☆☆
なんとなくファンタジックな映画かな~と予想しながら観始めました。
でも生まれた子供の姿を見て、心臓が「チクッ」と痛みました。
なんと重いテーマなんでしょう。日本だったら同じテーマでも、こういう感じの映画は作らないだろうな~って感じ。
昔々…とナム・サンミさん演じるスアという女性が、子供に絵本を読み聞かせる設定で物語がスタートします。
幸せに暮らす夫婦に待望の子供が!母親は「桃のようにかわいい子供が生まれたら…」と楽しみにしていたんだけど…
生まれたのは、結合双生児だった。しかも身体は一つで両面に顔がある双子。表の子は自分の意志で歩いたりできるけど、後ろの子は自分の意志でなにもできない…
※母親役、「ごはん行こうよ!」のソン・ヒョジンさんですね。
母はすぐに殺そうとするけどできなくて、結局精神を病んで死んでしまった。その後、チェ・イルファさん演じる父親が、ひっそりと育て、二人は大人に。
この双子を、リュ・ドックァンさんとチョ・スンウさんが演じています。確かにこの二人「似てるな!」と思ってました。
後ろのスンウさん演じるサンヒョンは、自分を犠牲にしても弟を優先する優しい人に育っていた…そんな時…
父が偶然知り合った優しい女性スア(ナム・サンミ)に、サンヒョンの世話を頼んだことから物語が動き始める。
表の方のドンヒョンは、裏の兄を隠しスアに接する。そして今まで知らなかった外の世界に興味を抱き始める。ドンヒョンは自分たちの話を絵本に書き始めた。
一方、いつもストールで隠されている兄のサンヒョンは、スアの顔を見ることができず、身分証を奪って顔を確認した。←これは布石で…
今まで家を出なかったドンヒョンが、スアに身分証を返して行ったとき、ふいにストールがはがされてしまった!後ろのサンヒョンはすぐにスアと気づき…スアも絵本の主題が自分たちの現実だったことを知ってしまった。
出版社たちが家に押しかけ、二人を取材しようとする。
傷ついた二人は…
子供のころ母から逃げて上った桃の木に登り…
事故(?)自殺(?)
木から落ちてしまった。子供の時も木から落ちてケガをしたのは後ろのサンヒョンだった。
そして…サンヒョンが死亡し、ドンヒョンはついに分離手術を受けた!
兄を亡くしてしまった喪失感に涙を流すドンヒョン
スアは自分の働くブティックの「顔なしマネキン」を死体安置室に運び、サンヒョンの首の下に寝かせて、「次に生まれてくるときは身体も忘れずに持ってくるのよ!」って言うの。ここは泣いちゃった。
サンヒョンは初めて健常な体でスアに会うことができた。
スアがこの絵本を読み聞かせしていた子供は…
サンヒョンと父…生まれ変われたのね~身体を忘れずに。辛い話だけど、この結末があって救われる。
ほんの一瞬んだけどこんな人も出てた!チェ・ダニエルさん。
そしてスアの働くブティックに足しげく来ていた女性は…双子の父が探していた死んだ妻の友達だった。この人は偶然来ていたのか、何かを知ってきていたのか…その辺は全く不明。
ところでこの映画。監督がク・ヘソンとなっているんだけど、まさかと思ったけど…
女優のク・ヘソンさんの監督デビュー作だった!
すごいね。こんな才能もあったのね~
賛否両論の映画です。スンウさんが出てる…っていう点を除いても、私は好きな映画です。