あなた、そこにいてくれますか
監督: ホン・ジヨン
出演: キム・ユンソク、ピョン・ヨハン、チェ・ソジン、キム・サンホ
製作年:2017年
原題:당신, 거기 있어줄래요(英題:Will You Be There?)
★★★☆☆
大好物のタイムスリップものなので、けっこうハードルを高くしすぎたためか、ちょっと評価的には低め
何より、タイムスリップの原則をあっさり無視する割には、肝心なところが説明不足ですっきりしない印象を残しました。
医療ボランティアでカンボジアを訪れた医師のハン・スヒョンは、盲目の老人に「かなえたい夢はあるか?」と聞かれ、「もう一度会いたい人ならいます。」と答えた。
そして老人にある秘薬をもらう。
スヒョンの願いは30年前に死に別れた恋人に会うことだった。
スヒョンの30年前。医師のインターンだったころ…
イルカの調教師のヨナと幸せな毎日を過ごしていた。
スヒョンは父親に虐待された過去があり、家庭を持つことに抵抗があったが、ヨナの優しさに触れ、プロポーズをすることに!二人の未来は明るいはずだったが…
そこへ同じ名前の中年男性が現れた!
30年後から過去へタイムスリップしたスヒョンは、若い時分自身に会い、ヨナの運命を告げた。
ヨナが事故死した日に、なんとか回避することに成功したんだけど…30年後のスヒョンにはほかの女性との間に一人娘がいた。もし、スヒョンとヨナが結ばれてしまうと、その娘が存在しなくなる。そこでヨナの命と引き換えに、別れるよう指示した。
そして…なくなくヨナと別れたスヒョンは、指示通り今の娘の母親と知り合い子供を産んだ。
スヒョンは末期の肺がんなので、とにかくぷかぷかぷかぷか煙草を吸うシーンが多い。
娘の母親まで初対面でたばこを吸ってる。なので、この母親のイメージがすごく悪い。
本当は夫婦仲が悪いのか離婚したのかただ仕事の都合で別々にいるだけなのか、その辺が説明不足で全く分からない。
若いスヒョンは、30年後の自分との約束を守れずヨナに会いにいってしまう。そこで…交通事故にあうヨナ。重体のまま死亡!どうしても死ぬ運命なの?と思いきや…
未来のスヒョンがまた戻ってきて、一緒に手術!こんなに本人と会っていいのか?タイムスリップ的には…(笑)
この秘薬なんだけど、ドラマ「ナイン」のお香を思い出させるわね。
手術は成功しヨナは一命をとりとめた。
30年後の娘も生まれたことだし、ここでヨナと結ばれてよかったんじゃないの?子持ちだけど…という疑問はぬぐえない。
そして30年後…ヨナは生きていた。ヨナは独身を通したのか、足が悪いのは事故の後遺症(?)ヨナに会いにいったのに声をかけないスヒョン。なぜ??死ぬ運命だから?ここも大きな疑問。
そしてスヒョンは亡くなった。
この映画で大きな役割を果たしているスヒョンの親友テホ。
テホはスヒョンが死んだことをヨナに教えた。生きているうちに教えてあげたらいいのに…そして思いついた!
スヒョンの秘薬は10粒あって、タイムスリップしたのは9回だったからあと1粒残っているはず!と思いついたテホは、探し出して自分が過去へ戻り、若いスヒョンに会えたのに…肝心の病気のことを教えるのを忘れてしまった。っていうかスヒョン本人が、いつでも自分で教える時間があったのに、なんで教えなかったの?
それと!!あの薬は1粒検査に出したので10粒使い切ったはず!
そして…
死ななかったスヒョン。なんで?テホは教え忘れたのになんで病気のことを知ったの?ととにかく「?????」だらけなのだ!!
まぁ最終的には、昔と同じように風船の束をもってプロポーズ。
こんな風に整合性のなさが致命的な映画ではあるんだけど、ユンソクさんの熟練した演技とヨハン君が最高だった。
そして若いころの恋人役を演じた、チェ・ソジンさん…
めっちゃ美しい!
その辺の収穫は大いにあった映画でした。