コインロッカーの女
(차이나타운)
監督:ハン・ジュニ
キャスト:キム・ゴウン、キム・ヘス、パク・ボゴム
製作年:2015年
原題:차이나타운
★★☆☆☆
まずキム・ヘスさんの煤けた汚れ役が素晴らしい!!
それとキム・ゴウンさん。トッケビなんかで見かけてたけど、確かに美人じゃないんだけど、すごく独特の雰囲気というかワールドをもっと女優さんだな~と思った作品でした。
映画自体は、私個人的にあまり好みじゃないのでこんな感じですが、かっこいい!と思う人は多いんじゃないかな?
産み落とされてコインロッカーに捨てられた子供が、悪人たちに利用され、チャイナタウンで裏社会に君臨するヘスさん演じるオンマに引き取られる。同じような境遇の兄弟(?)たちと、家族のように暮らしながら、オンマに命令されるままに手を汚していく子たち。
ゴウンさん演じるイリョンは、初めての恋をする。それを敏感に察知したオンマは相手の男を殺してしまう。絶望したイリョンは…かつてオンマもそうしたように、母を殺し…
この映画、村上龍の「コインロッカーベイビーズ」が原作っていう説もあるらしいんだけど、コインロッカーに捨てられたということ以外全く別のストーリーだし…でもそのせいで邦題がこんな感じになっちゃんのかな?
原題は「차이나타운」(チャイナタウン)
タイトル違うだけで全然映画の雰囲気が違いますね。
チャイナタウンのほうが、この殺伐とした感じが伝わるし。。
イリョンは「10番のコインロッカー」に捨てられたから、「일=1、영=0」イリョンと名付けられた。私ならタイトル「イリョン」にするな!どっちにしても、「コインロッカーの女」って意味不明。。
イリョンが最初で最後の恋をした相手を演じるのが、ボゴム!
普通の人で明るく優しいのに…父親の借金のせいでオンマに喉を切られて殺される!
イリョンと正反対の世界にいる人だから、余計にイリョンの悲惨な人生が浮き彫りになり、その初恋すら奪われる非情さ。
結局一緒に育った兄弟たちも全員死に、オンマも死に…イリョンがボスにになった!
イリョンがカメラを設置して家族の食事シーンを撮影する、回顧映像があるんだけど…ここいいね!
偽物の家族で殺しあったんだけど、確かに本当の家族だった時間はあった!
そしてオモニは、イリョンに殺されながらもイリョンに戸籍をあげたくて、自分の娘として養子にした書類を、やっぱりコインロッカーに入れ、鍵をイリョンに渡した…
こうやって悪の連鎖が繰り返されるのかも…と思わせる最後でした。
脇役もいい!
闇社会のチャイナタウンで屋台を引っ張るオヤジさん。
でも優しくでひそかにイリョンの味方になってくれる。
かつてはオンマが育てた子供だったけど、結局オンマを裏切ることに。演じるコ・ギョンピョさん。シカゴタイプライターでは、おちゃめな幽霊を演じてましたね。