ウンギョ 青い蜜
監督:チョン・ジウ
出演:パク・ヘイル、キム・ゴウン、キム・ムヨル
製作年:2012年
原題:은교
★★★★☆
トップシーンでヌードの老人が出てくるんだけど…
「ん?誰?」と思ったら…なんと!パク・ヘイルさんだった!よくよく見るとちょっと不自然な老けメイクだけど…さすがヘイルさん…役によって化けますよね~
パク・ヘイルさん
邦題を見るとなんだからちょっと18禁的な匂いがして、あまり期待しなかったんだけど、実際観ると静かで深い「芸術作品」に仕上がっている!なのに!!また変な邦題つけるから台無し!!「青い蜜」なんて余計なフレーズ付けるからエロエロ映画かと思ってしまうじゃないの!!原題の「ウンギョ」の方がよっぽどいい!!
ストーリーは単純です。
小説家の大先生と先生を尊敬し先生にゴーストライティングをしてもらった弱みをもつ、若い小説家。そこに現れる女子高生の3人が織りなす作品です。
キム・ゴウンさんがまたいい!
彼女のデビュー作だそうですが、ベッドシーンもこなしているし、若いのにそこはかとない色気を感じる…本当に素晴らし女優さんですね。
年老いた小説家が高校生に恋心と性欲を抱き、弟子に寝取られて殺そうとした…みたいな単純な映画じゃないんですよね。
歳をとることの寂しさ。でも小説家としてのくすぶっていた小さな炎が、ウンギョに会うことで大きく燃え上がり始め…
若いころの自分に戻って、素晴らしい短編小説を仕上げる!
でも弟子が勝手に自作として投稿してしまう!ウンギョはそれを見て、自分への美しいラブレターだと思って寝てしまう。それを目撃してしまった老小説家は、嫉妬と怒りで殺そうとする…が、別の事故で弟子は死亡!
自分が殺したという罪悪感でふさぎ込む老小説家だけど、あの美しい文章をあの弟子が書けるはずがないと、実際の作者を知り…最後に老小説家を訪ねる…という簡単に言うとそういうストーリーなんですが…
老いることは誰にでも訪れる運命。
でも生きることへの渇望があり、忘れかけていた恋情が生への情熱を再燃焼させる。人としてきっと誰もが自分のことのように、心の深いところで共感し感動できる映画だと思います。
パク・ヘイルさんもキム・ゴウンちゃんも良かった!!サスペンスや強姦殺人ものパニックものも韓国映画は得意だけど、こんな作品もあるんだ~と改めて、韓国映画の厚みを再認識しました。