弁護人
監督: ヤン・ウソク
出演: ソン・ガンホ、イム・シワン、キム・ヨンエ、クァク・ドウォン、
製作年:2016年
原題:변호인
★★★★☆
これは面白かった!
さすがソン・ガンホさんだし、イム・シワン君の演技が今までの作品の中でも最高だった!(でもこれがデビュー作だそうです)
舞台は1980年代初めの釜山。
韓国映画を観ていると、本当に「歴史に翻弄」された国なんだなと思うし、この映画の主題でもある「不条理」が、普通にはびこる時代を経てきて、それで今の韓国が形成されたのだと納得できるところが多い。
高卒の弁護士、ガンホさん演じるウソクは学歴でバカにされ、なんとかのし上がろうと、登記や税金となんでも請け負い大成功する!
貧しい学生だったころ、なじみに食道で無銭飲食をしたことがあり、その女主人に謝罪して返金しようと店をたびたび訪れる。キム・ヨンエさん演じる女主人は、喜んで迎えてくれた。
その息子を演じるのがシワン君。
シワン君演じるジヌは、普通の学生だったが、突然、国家保安法違反容疑で逮捕され酷い拷問を受ける。
しかしその裏には、当時の韓国という国のひずみがかかわっていた。日本統治から逃れ独立したものの南北戦争で北と南に分断されてしまった国家。そして北と結託するもの排除しようとする国家、日本の昔の戦中と似たような不条理な国民への弾圧が普通に行われる時代だったのだ。
国家にはだれも逆らえず、裁判も警察も国の手先だった。そんな中…もっと大きな成功を約束されていたウソクは、食堂の女将に懇願され、ジヌの弁護人を引き受けることを決意する。
そしてその裁判は…不当を極めたものであったが、屈することなく無罪を主張し続けた。
本来なら「無罪」でHappyEndなんだけど、最後の有力な内部告発者の証人も押さえつけられてしまった。
そして…ウソクは「自分の息子にこんな国で育ってほしくない」と、自らデモの先頭に立ち逮捕されてしまう。
その裁判には…何人もの弁護人が名乗りをあげ、法廷の傍聴席を埋め尽くした。その姿を見て、ウソクは静かな笑みを浮かべるのでした。
最後のウソクが捕まるデモなんだけど、誰かの追悼集会だけどこれは誰の??ってことで最後の最後で??だった。ジヌは生きてるもんね。
やっぱり、韓国映画はこういうの撮らせたらうまいよね~
そしてこの映画キャストが豪華!!
検察の悪がこいつ…
その手先にクァク・ドゥオンさん…
国を変えたい意識はあるけどやっぱり時世に染まってしまう企業の御曹司を演じるのがこの方。
ウソクの相棒もいい味だしてるね!
そしてどう見ても悪役しかしないこの方は、ウソクの協力者でした。
この映画は実話をもとにしているそうで、「1981年に軍事政権下の韓国で実際に起きた冤罪事件である釜林事件を題材にしている。ソン・ガンホ演じる主人公ソン・ウソクは、故・盧武鉉大統領をモデルにしている[」(Wikipedea)だそうです。韓国さすがですね!